若肌習慣が目指すべき成果
漢方では、単に成分を量的に補うだけでなく、体の働きにアプローチすることによって、必要な成分を作り出す力(内臓機能や神経内分泌系)を高めることができます。
つまり、身体の働きを高めながら、有用成分の量的な摂取もできるというメリットがあります。
さらに、漢方的な成分で体の働きを高めて、美容的な成分の性能を高めることができます。
漢方で働きを高めることで、様々なタイプの人に対して、より効率よく変化を実感することが期待できるのです。
皮膚症状へのアプローチ
皮膚の仕組み
- ①表皮は、外からの刺激や菌などから体を守る役割をしています。
- ②真皮は、表皮の下にあり、肌をふっくらとさせる為の土台の役割をしています。
- ③皮下組織は、皮下脂肪が多くを占めている部分で、クッションの役割をしています。
皮膚構造イメージ
① 「表皮」とは?
表皮は、お肌の一番外側にあり、外部からの紫外線やチリ、ホコリ、ウイルス、菌などの刺激や病気から体を守っています。
表皮だけでも以下の4階層からなっています。
- 角質層 ( かくしつそう )
- 顆粒層 ( かりゅうそう )
- 有棘層 ( ゆうきょくそう )
- 基底層 ( きていそう )
① - 1角質層 ( かくしつそう ) の役割とは?
角質層の役割は、外から身を守るバリア機能です。角質層は、死んだ細胞によって出来て、角質細胞とも言われ、ある一定期間がたつと垢として剥がれおちます。
角質層は、約0.02mmの薄さで、サランラップなどと同じ薄さで肌に触れる外からのチリやホコリ、雑菌などの刺激を体内に入れないように守り、さらに、体内の水分が蒸発しないようにしています。
このように角質層は、体の内外を適度に遮断する役割を持っています。
① - 2顆粒層 ( かりゅうそう )、有棘層 ( ゆうきょくそう )、基底層 ( きていそう ) の役割とは?
基底層という表皮の一番奥では、新しい肌の細胞である基底細胞が作られています。
また、シミの原因となるメラニン色素を作り出すメラノサイトも基底層にあります。
この基底層で作られた基底細胞が、成長すると有棘層⇒顆粒層⇒角質層と徐々に上に押し上げられていき、最後は垢として剥がれおちます。これが肌のターンオーバーです。
② 「真皮」とは?
真皮とは、皮膚の表面の表皮の下にあり、肌がふっくらとした土台として肌の弾力やハリを保ったり、表皮に栄養や水分を与える役割があります。
表皮部分との大きな違いは、お肌のターンオーバーが行われない点です。この為、真皮まで届くケガをした場合には、綺麗に治すのは難しくなります。
② - 1真皮に含まれる美肌にかかわる成分
真皮には、お肌のハリや潤いなどと関係するコラーゲン、エスラチン、ヒアルロン酸があります。
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コラーゲンの美肌効果とは?
コラーゲンは、お肌の主な成分で、丈夫な線維状のタンパク質です。このコラーゲンは網目状になっている事で、肌の弾力を保っています。
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エラスチンの美肌効果とは?
エラスチンとは、弾力がある線維状の細胞で、コラーゲンとコラーゲンをつないでいます。
加齢によりエラスチンが減少したり、弱くなって切れてしまうとコラーゲンがたるんでしまいます。その為、シワやたるみの原因になります。 -
ヒアルロン酸の美肌効果とは?
コラーゲンとエラスチンが網目状になって出来ている隙間を埋めているのがヒアルロン酸です。ヒアルロン酸はゼリー状で水分保持力が高いので、減少するとお肌の水分量も減ることになるので、たるみ、シワの原因になります。
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線維芽細胞の美肌効果とは?
線維芽細胞とは、あまり聞かない名ですが、肌内部のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの基質を作る大切な細胞です。線維芽細胞がシッカリ働くことで、ハリのあるお肌が維持できます。
しかし、線維芽細胞が老化を起こすと、肌内部でコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の生成が遅くなるので、肌の老化が始まります。
③ 「皮下組織」とは?
皮下組織とは、その多くが脂肪で出来ています。脂肪ときくと「ぜい肉」と言って美容や健康には悪いイメージがありますが、実は、体を守る大切な役割があります。
また、太い血管が通っていることから、皮膚や毛根などの細胞に血液を送っています。
皮下組織の役割は、
- 外部からの刺激や衝撃を和らげる
- 外部からの熱を伝えにくくする
- 内部の熱を保温、断熱して外部の寒さを防ぐ
- 脂肪としてエネルギーを蓄える
- 血管から栄養を送る
などの役割を持っています。
この皮下組織の厚さは、体の部位によって違いがありますが、約10ミリ以上あると言われています。
表皮と真皮の下にあることからお肌のターンオーバーは行われません。この為、皮下組織が不注意な事故などのケガやニキビなどの炎症を負った場合には、ケガやニキビ跡を綺麗に治すのは簡単ではないです。
若肌習慣が目指すべき成果
赤ら顔、ほてり、赤み
- 原因
- 体内に「熱」が過剰になり、体内にこもっています。
- 体調
- 熱により体が渇き、便秘や口渇、冷えのぼせなどを生じます。
- 漢方
- 巡りをよくして血行を整え、潤いを持たせることによって熱感を解消します。
シミ、くすみ、そばかす
- 原因
- 老廃物がたまり、血液の質や流れが良くない状態が皮膚表面に反映されています。
- 体調
- 生理痛や下肢静脈瘤、頭痛や肩こり、冷え性など血液循環の悪さが影響します。
- 漢方
- 瘀血を改善して、血をきれいにして流れをスムーズにします。
しわ、たるみ
- 原因
- 加齢による新陳代謝の衰えや肌細胞や筋力の劣化に起因します。
- 体調
- 体力低下、足腰の痛み、白髪や老眼など内臓機能の低下を伴います。
- 漢方
- 成長発育や生命力にかかわる力を補います
乾燥、小じわ、敏感肌
- 原因
- もとの体質や加齢により潤いや健常な肌質を保持する力が低下することによります。
- 体調
- ドライアイ、ドライマウス、ドライノーズやかぶれ、炎症などが起こりやすくなります。
- 漢方
- 水分代謝を整え、潤いや皮膚を保護する保持に必要な力を養います。
にきび、しっしん、じんましん
- 原因
- 食習慣やホルモンバランス、生活習慣の影響を受けます。
- 体調
- 疲れやストレス、睡眠、偏食、生理周期などで不安定になります。
- 漢方
- 自律神経のバランスを整え、胃腸機能を整えて栄養吸収を改善します。
体調不安と漢方
更年期症状
- 原因
- 女性ホルモンの分泌減少に伴う自律神経のバランスの崩れによります。
- 体調
- ホットフラッシュや不眠などの身体の不調、
イライラや意欲低下など不定愁訴や自律神経失調など様々です。
- 漢方
- ホルモンバランスを整え、自律神経の働きをスムーズにします。
足腰の弱り
- 原因
- 加齢に伴う筋力低下や体力低下による運動不足によって運動機能が衰えます。
- 体調
- 骨粗しょう症、尿トラブル、関節痛など、これまで見られなかった不調が起こり始めます。
- 漢方
- 生命維持に必要な腎精を補い、体力低下のペースを穏やかにします。
物忘れ
- 原因
- 記憶や思考にかかわる脳の機能低下やストレスなどによります。
- 体調
- 集中力の低下や感情コントロールが難しいなど、自覚症状として気づきにくい状態もみられます。
- 漢方
- 血液循環を良くして隅々まで新鮮な血液が届きやすいようにして、
脳の働きを良くする栄養を補給します。